2024.01.17

  • 取り組み

リハビリテーション翼の舎病院での栄養管理の取り組み

ADL(日常生活動作)の向上を獲得するためには、リハビリテーションはもちろん、
身体を作るための栄養管理が欠かせません。そこで今回は、
当法人のリハビリテーション翼の舎病院で行われている「栄養管理の取り組み」についてご紹介します。

リハビリテーション翼の舎病院
脳血管疾患や大腿骨骨折等の患者さんに365日一日最大3時間のリハビリテーションを提供する。同一建物内に介護老人保健施設とデイケアセンターが併設された医療と介護の複合施設。

栄養管理の基本は、毎日の食事です。
リハビリテーション翼の舎病院には2名の管理栄養士が在籍しており、食事を通じた栄養管理に取り組んでいます。
当院の患者さんは、リハビリや自主練習でどんどん活動量を増やして体力や筋力をつけていただく必要があるので、
とくに「エネルギー」と「タンパク質」が充足できるよう、給食を工夫しています。

給食といえば、最も馴染み深いのは学校給食ではないでしょうか?クラスメイト全員で
同じ献立の食事を、平等に同じ量を分け合って食べるのが学校給食ですが、これと病院給食は大きく異なります。

リハビリテーション翼の舎病院での病院給食も、基本的にはみなさんに同じ献立をお召し上がりいただきますが、
患者さんがお持ちの疾患、服用中のお薬と食材の食べ合わせ、その時に摂るべき栄養や食材、アレルギーの有無、
嚥下機能(食べものを飲み込む力)などを考慮し、盛り付ける食事の分量や食材の割合、食形態などを、
患者さん一人ひとりのニーズに合わせて適宜変更・調整を行っています。

管理栄養士は、そのような患者さんのニーズに細やかに対応するために病棟へ出向き、
患者さんの食事中の姿勢や角度、速度、疲労度などの情報共有をしたり、
患者さんに直接感想をお尋ねしたりして、患者さんの食事に関する情報を多角的に収集しています。

また、患者さん一人ひとりに対して適切な食形態の検討を行うために、
医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士が集まり、嚥下機能の検査結果を元に、
各職種の専門的な視点を交えながら嚥下カンファレンスを行っています。

他にも、リハビリカンファレンスでの話題や他職種のスタッフが得た気づきも、
管理栄養士にとって大切な情報源です。
リハビリスタッフから「最近A様の活動量が増えてきました。」と聞けば食事量を増やせないか医師へ提案し、
看護スタッフから「B様の食事の摂取量が減っています。」と聞けば厨房と食事内容を相談し、
患者さんの変化やご様子にあわせてできる限りの食事の改善・検討を常に続けています。 

このようにリハビリテーション翼の舎病院では、管理栄養士が中心となって多職種と連携し、
全ての患者さんの栄養状態・お身体の状態を把握することで、
患者さんごとに考慮したきめ細やかな食事の提供を通して栄養管理に取り組んでいます。

入院時、患者さんの栄養状態は必ずしも良好であるとは限りません。
そんな中、少しでも良好な栄養状態に近づけるために、その方にとっての最善の食事を模索することは、
ADLの向上や1日でも早い退院を目指すのに必要不可欠です。
これからも、全職員一丸となって患者さん一人ひとりの栄養管理に向き合ってまいります。

この記事を書いたのは…

広報 コダイラ
スズキさんの後輩

得意なことは絵を描くこと
スパゲッティが好き